農フォーラム2024

3月9日、農あるまちづくり部会では「農フォーラム2024」を宮前区役所第啓義室で開催し、

スタッフ含め約50人が参加しました。

このフォーラムは「このまちで育む、農あるくらし」をメインテーマに2018年から毎年開催しています。

毎年時流にあわせたサブテーマを設定し、それを実行している人たちに事例発表をいただき、

それにそって意見交換をしています。

最初に南昭子宮前区長にご挨拶いただき、来賓にはセレサ川崎農業協同組合大川護副組合長、

川崎市経済労働局都市農業振興センター所長斎藤徳明氏を迎えました。

今回のサブテーマは「地元野菜で時間を楽しむ」。以下4人に事例発表をしていただきました。

 

●多品種の作物を栽培する畑の隣で農園レストランも経営

杉田農園/杉田広行さん(菅生)https://sugita-nouen.biz

●顔が見える生産者の農産物でお菓子とジャムを作る   

めぐみ焼菓子店/川田真由美(菅生)https://megumiyakigashiten.com

●無農薬野菜で今日も食堂開店         

まめそら食堂/亀井裕子さん(有馬)https://www.mamesolasyokudo.com

●畑を開墾し、旬の野菜を露地で作り多様な売り先で販売

ありまね農縁/白井大輔さん(野川) 

https://miyamae-ku.jp/area_list/facilities/2763/interview

 

杉田さんは自分の農業のポリシーを「旬を大切にすること。そのためにハウスで油を燃やす農業はしない」と

力強く話します。ビニールハウスを加温するために重油など焚いて暖房をしないということ。

また昨年、畑の近くに農家レストラン「la pousse(ラ プース)」を開業し、とれたて野菜や果物を

味わってもらう場を提供していることを紹介しました。

そして将来は「今日はこの野菜でこんな料理をしよう」とうちの畑に来て収穫して帰る、そんな

「開かれた農園」を目指したいと夢を語りました。

 

川田さんはパティシエの妹さんのめぐみさんと「めぐみ焼き菓子店」を2018年にオープン。

工房を菅生に構え、店は持たずに通販とマルシェを中心に、NEWoMan YOKOHAMA 6Fのイベント、

玉川高島屋の地下1階に地域のおいしいお菓子コーナーで販売をしています。

焼き菓子に使う卵はすべて稗原の大木養鶏場の卵を使用、焼き菓子の他に季節の果物を使った

ジャムを作っています。宮前区の小泉農園のいちごを使った「いちごとバジル」、

山田花園の無花果(いちぢく)を使った「無花果(いちじく)とアールグレイ」と果物とハーブなどを

組み合わせてパティシエらしくがジャム作りのコンセプトです。

川田さんは「地域で誇れるものを作っていきたい」と凛とした表情で締めくくりました。

 

亀井さんは、「まめそら食堂」を有馬で開業し4年。以前は農園スタッフとして野菜づくりに

関わっていました。

使っている野菜は全て無農薬、有機栽培の元気な野菜たち。不恰好でも、規格外でも野菜は

「捨てるところなく、根っこからてっぺんまでなるべく丸ごと使う」ことを心掛けているそう。

野菜を愛おしく思い、毎日野菜たっぷりのメニューを食堂で提供しています。

「こども食堂も始めました」と、時流にあわせて挑戦を続ける言葉で締めくくりました。

 

白井さんは野川と有馬の境の地で夫婦で坂道に段々畑を開墾し「ありまね農縁」として

露地で野菜、果物を作っています。農園でなく農縁としたのはつねづね地元の皆さんとの縁を

大切にしたいと思っているからと。

白井さんは「野菜は鮮度が命」と、エダマメはお湯を沸かしておいてから収穫するとよいと

こだわりを話します。

筍も掘りたてならぬかもいらず、皮をはがしてゆでてよい、大きな鍋もいらないんですと

目からウロコのお話を披露してくれました。

 

4人の事例発表の後は、参加者を4つのグループに分けた中に発表者が入り、意見交換を行いました。

農あるまちづくり部会メンバーが進行役になり、住んでいる町名から始める簡単な自己紹介をし、

定年退職をして畑を借りて野菜づくりをはじめて楽しいといったお話や農家が伝える食べ方を

ぜひやってみたいなど時間が足りないほど盛り上がりました。

 

会場には、同部会が年に2回、区民が宮前区内の農家のお話を聞き交流する「農家めぐりウォーキング」と

まちづくり協議会のフォトコンテスト部会が主催する「フォトコンテスト」の中から

農あるまちの風景の写真がパネルで掲示されました。

 

また同フォーラムの運営もお手伝いただいている「宮前ガーデニング倶楽部」が

360度どの方向から見ても映えるお花で演台前を飾ってくださいました。