6月3日、東有馬、野川地区の農家4軒(秋山勲直売所、井上農園、織茂農園、青樹園)を約30名(スタッフ含め)で巡りました。
有馬第一団地バス停に集合し、参加者がそれぞれ住んでいる町と名前の自己紹介をし、あいにくの小雨の中をスタートしました。今回は「農からの食育」の視点で宮前区役所地域みもり支援センターの職員さんの参加もありました
とにかくとれたての野菜の味を知ってほしい(秋山勲直売所)
1軒目の訪問先は秋山勲直売所。
奥さまの町子さんは「とにかくとれたての野菜の味を知ってほしい。今の時期は8時30分から毎日直売を開けています」と熱くお話されました。
直売は自動販売機と対面を併用。直売所の壁には、野菜の栄養についての説明を掲示し「一生懸命調べてお客さんに伝えています」と町子さん。今年、お客さまからの要望もあってケール栽培に挑戦。「若い人は生でサラダで食べると聞くけど、少しクセがあるのでうちではお味噌汁に入れています。トマトの味噌汁もおいしいですよ」と、食べ方をたくさん教えていただきました。このお話を聞いた参加者の皆さんにとれたてのケールはあっという間に完売してしまいました。


今は収穫にむけて1日たりとも気が抜けない「宮前メロン」(井上農園)
秋山さんの直売所の前の道を渡り、住宅街を進むと大きなハウスが建つ井上農園に到着した。ハウスでは初山の松井農園と同様の「樽栽培」でトマトが実っていた。
左から、ミニ、中玉、大玉と並び「そろそろ収穫は終わりになります」と奥さま。
ハウスを背に右手の坂を少し上ると、「宮前メロン」を作るハウスが右側に見える。
ハウスはしっかり戸が閉められてすりガラスのようなシートがはってあり中は見えない。
ご厚意で10人くらいずつ中に入れていただきました。ひとつの株にメロンは1つに摘果され、大きく育てられている。「7月上旬が収穫になります。今は気が抜けない日々が続いているんです」と園主の井上國夫さん。ハウス内は高温で、「暑い」の声があがり、栽培する厳しさを感じました。
トマトを栽培するハウスの横に袋詰め作業や直売をする建物があり、壁には宮前区PRキャラクター「宮前兄妹」のシールが貼られ、地域愛を感じました。
*「樽栽培」はピートモスなどで調整された培地を発砲スチロール製の樽に作り、そこに苗を植え、自動で水や肥料が入る栽培法。病気になった時に、樽ごと替えればよく、土続きより病気に対応がしやすいとのこと。




自然農法を約30年貫く(織茂農園)
井上農園から、近隣の住民に「トトロの道」と呼ばれている木が茂る道を歩き、
3軒目の訪問先の織茂農園に。園主の織茂耕治さんは、約30年前に農薬を一切使わない農業に舵をきりました。「土をかえるのに3年。10年たってようやくふかふかの土になりました」と振り返ります。「最初は慣行農法を続けていた親父は半信半疑でした。
でも、できた野菜の味の違い、腐らないことを知ってからは、応援してくれるようになりました。日本は世界でも有数の農薬を大量に使っている国です」の話に参加者は不安そうに聞き入っていました。「生態系を畑に作っていくことが自然農法のコツです」ときっぱりとまとめられました。
洋館風の建物の1階には直売所があり、とれたてのエダマメは即完売し、直売ならではのトウモロコシを若どりしたヤングコーンも人気でした。

農園をコミュニティの場に位置づけるふれあい農園を運営(清樹園)
織茂農園から西に進み道を渡り最後の訪問先清樹園に。かつては植木をやっていたが、
今は川崎市が運営する「ふれあい農園」を開設しています。利用者は1年ごとに登録をし、
毎週火曜日午前中に活動しています。活動の様子を見学する予定でしたが、
小雨で活動はお休みでした。
登録メンバーで決めた野菜をみんなで作り、とれた作物は分け合う仕組み。農園がコミュニティの場となり、10年近く継続されている方もいるそうです。園としては、柑橘系の栽培を増やしており、最近ではシークワーサーに力を入れているそうです。小高い丘の上にある畑は、そこに立つと心地よい風がふいていました。
