12月2日、平・神木本町地区の農家4軒(うちで農園、小泉農園、寺島慶治直売所、小川農園)を約25名(スタッフ含め)で巡りました。
向丘出張所の木質化された1階フロアに集合し、新設の図書コーナーなどを見学。全員集合後に参加者がそれぞれ住んでいる町と名前の自己紹介をし、スタートしました。
今回は「都市農業の現場を見たい」の視点で宮前区役所企画課、前回に引き続き「食育」の視点で地域みまもり支援課職員さんの参加もありました。
市内に16軒になったいちご農家。苗は夫婦で自作する(うちで農園 マップ№20)
1軒目の訪問先は施設栽培でいちごを作るうちで農園。2023年11月以来の2回目の訪問です。「僕が始めた時は市内でいちご農家は8軒でした。今は16軒あります」の園主の三田和弥さんのお話から始まりました。うちで農園のいちごの収穫は12月下旬から5月のゴールデンウィークまでとのこと。「収穫以外にも1年通して作業はたくさんあります。特に年々過酷になる猛暑の中で苗つくりは大変だけど自作しています」ときっぱり。「昔から苗八作といわれていて、苗で収穫の8割は決まる、そう思っているので妻と二人でがんばっています」と続けられました。
ハウスの中に入れていただくと、受粉のためのハチが葉っぱにとまって仕事していました。
今年は「よつぼし」「あきひめ」「ほしうらら」の3品種で約2800株を栽培。販売は自宅前の自動販売機と人手がある時は対面と併用し、セレサモス宮前店にも出荷しています。「小規模でのいちご狩りもしています」の説明にいちご狩りや販売の問い合わせ先を確認する参加者も見られました。
市民とともに収穫体験と体験農園に手ごたえ(小泉農園 マップ№22)
うちで農園から、東名高速の高架をくぐり進むと大きないくつものハウスが建つ小泉農園に到着しました。
園主の小泉富生(とみお)さんは川崎を代表する農家さん。70歳をすぎたこの日も、元気、元気で、まずは小泉農園の歩みのお話から始まりました。亡きお父さんの頃の市場出荷から、グリーンハイツに代表される宅地化が進んだことで、とれたて野菜を近くで消費する「地産地消」の大切さが広まり、一時は農家仲間と生協と組んで出荷をした時期もあったそうです。その後生協の配達の仕組みが変わり、そのルートをやめ試行錯誤。当時、都市農業の先駆者である練馬区で始まっていた農家が非農家の市民向けに開く「体験農園」を学び、現在に至っているとのこと。「体験農園」は一人ずつの畑でなく、作物ごとに区切る方式になっていました。年会費制で収穫した農産物は持ち帰る仕組みで、農地を活用することで、参加者との新たなコミュニティが生まれているようで「娘がいろいろ助けてくれてます」と富生さん。
息子さんの博司さんは、川崎のいちご栽培の先駆者。「最近は息子に相談して、有馬に畑を借りて私も収穫体験やってます。今年の夏は、小玉すいかをやって大賑わいでした」のお話に参加者も興味津々。畑の真ん中でニンジンを抜いて「ニンジンも人と同じで肌が大事!」の説明にみんなで爆笑でした。
90代夫婦が続ける都市農業(寺島慶治直売所 マップ№23)
小泉農園から平小学校を左手に見ながら階段をあがり、さらに坂を登り、ひばり幼稚園に到着。門の前から今度は急坂を下ると右手に寺島さんの畑が広がります。畑が切れた角にある寺島慶治さんのお宅に到着。道路からすぐ入れる庭の一角にある無人直売所にはサトイモ、ネギ、コマツナなどの葉物とユズ、カボスなど柑橘類が並んでいました。90歳を超える奥様は「できる範囲で続けています」と言われ、「みなさんでどうぞ」とカゴにいっぱいのカボスのお土産を用意しておいてくれました。ご主人の慶治さんは家の縁側からニコニコと外の様子を見ていました。息子さんの利治さんが「二人とも90歳を超えるからね。来年はもう畑はできないと思う」と話されました。「でも今日、こんなに多くの人が来てくれるとは思ってなかった、若い人もいるね」とびっくりした様子でした。参加者が次々に直売所で買い物し「サトイモ、全部売れちゃった!」と笑顔の利治さんでした。
毎年がチャレンジ! 通年で農産物直売所に家族で立ち続ける(小川農園 №28)
寺島慶治直売所から、畑の様子を確認しながら再び坂を登りひばり幼稚園に戻り、左に坂を下ると右手に小川農園の広い畑が広がってきます。畑を過ぎて、右に曲がると、小川農園の作業小屋のある畑が見え、参加者全員で作業小屋の前に入りました。「明日の出荷用だよ」とりっぱなダイコンを前に園主の小川耕平さんが迎えてくれました。
小川耕平さんは、農作物品評会で毎年ダイコンで表彰を受けています。「でも今年は県知事賞は取れなかった」と残念そうでした。ダイコンの栽培時に使うマルチを広げて見せてくれ、「タネをまく穴の間に堆肥を入れておく」と小川式栽培のノウハウを明かしてくれました。さらに「株間は35センチ。他の人は27,8センチが多いけれど、間を広くとることもりっぱなダイコンを作るコツ」と続けてくれました。さらに「土の中で育つものは、抜いた時に答えがでる。そういう作物を作るのが好き。葉物などは地面から上に育つからいつも成育は確認できる。それじゃつまらないんだよ」と笑顔で語りました。
ダイコンの説明を聞いてから直売所に移動すると、ダイコン、ネギ、ラッカセイ、ユズなどなどがたくさん並んでいました。通年でこの特売所に立つ奥様の良子さんが食べ方を丁寧に説明してくれ、参加者のリュックはいっぱいになって解散となりました。


















